症状別Q&A
[腹圧性尿失禁]
腹圧性尿失禁とは腹部に力が入った時(腹圧がかかると)、尿漏れが出てしまう状態・症状のことを言います。 ほとんどの女性に見られる症状であり、軽度の方が多くはありますが、中には歩いたり、少し重いものを持ったりするだけで多量に漏れてしまう方もいらっしゃいます。 主な原因としては、尿道括約筋の機能不全や、膀胱周りの筋肉が弱くなってしまったことが挙げられます。出産後などの女性には非常に多く見られるケースでもあり、 尿道や神経の外傷や、骨盤内手術(子宮・膀胱系の疾患による)などもきっかけとなります。
- 35歳、3児の母です。
子供と一緒に縄跳びをしたり、趣味のテニスをしていると尿失禁することがあります。それ以外での尿失禁はありません。運動は控えた方がいいのでしょうか? -
この場合、腹圧性尿失禁が考えられます。
失禁の程度にもよるのですが、腹圧性尿失禁で悩む多くは、骨盤底筋体操や、薬、手術をすることで治っています。腹圧性尿失禁は、出産後や女性ホルモンの減少によって、だんだん骨盤底が緩んできて起こることが多いのです。
簡単な腹圧動作、例えばせき、くしゃみ、重い荷物を持ち上げた時、階段を上がる、飛び跳ねるなどの動作で尿がもれてしまいます。
だからといって、縄跳びやテニスなどの運動をしてえはいけませんというわけではありません。 同じ症状の方でも、骨盤底の体操でかなり改善されてる方もいます。
ですから、まずは骨盤底筋の体操をしてみることをオススメします。その上で泌尿器科を受診されるとよいと思います。
しかし、なかなか気の合う医師に出会ったり、病院に行くこと自体には勇気がいることです。放っておいても命に関わることではありませんので、その状態のまま我慢したり諦めている方も大勢いますが、あなたの行動範囲をせまくしたり、好きなことができないなど、生活にも支障がでてくるということは何らかの治療を必要とします。改善できないことではありませんので、できることからトライしてみましょう。
- 29歳、主婦です。
2人目の子供を出産して以来、尿失禁で困っています。軽いせきやくしゃみでも漏れてしまう時があります。特に花粉症の時期になると、ひどくなります。まだまだ30代前で恥ずかしくて病院には行けません。よい治療法はありますか? - 最近では、20代での尿トラブルで悩んでいる方は増えてきています。
せきやくしゃみのお腹に力が入った時に尿がもれてしまうものを腹圧性尿失禁といいます。
花粉症で連続してくしゃみをすると失禁してしまうというケースも充分あります。腹圧性尿失禁は、中高年層、多産婦の方に多くみられていましたが、20代以上の女性の15〜25%はもれの程度はありますが、尿失禁があるという報告があります。もれる量が多くないとしても、本人としてはとても不快なことです。
本来なら、膀胱に尿が溜まっている状態に急に腹圧がかかると、尿がもれないように膀胱の出口と尿道が締まるように働きます。しかし、2度の出産時の骨盤底の損傷に、肥満、便秘が加わると尿もれが起こりやすくなります。専門医に受診されることがよいのですが、恥ずかしいという気持ちは十分に理解できます。しかし、何かしらの治療をする必要があると思いますので、まずは骨盤底の体操をオススメします。薬なども合わせて取り入れるとよいとは思いますが、その場合は、専門医に処方してもらうことが1番です。
無理なくできることから始めてみましょう。
- 41歳、主婦です。
6年前に第二子を出産しましたがその後、せきをしたり子供を抱き上げたり、お腹に力を入れたりすると少し尿がもれてしまう状態が続いています。第一子の出産後も尿もれはあってのですが、3ヶ月ほどで改善したので放っておいていました。 - くしゃみやせきをしたり、中腰で荷物を持ったりなどのお腹に力を入れた時に尿がもれてしまうことは腹圧性尿失禁を指します。
じっとしている時は大丈夫なのですが、上記の動作の際にもれが起こってしまいます。出産をきっかけにして、骨盤底の緩みから起こり、原因として尿道を締め付ける力が弱くなってしまっているということです。普段は尿が外へ出ようとする力より強い力で尿道が締まっているので尿がもれることはありませんが、この症状の方の場合は、せきやくしゃみをした時に尿道を充分な力で締めきれずに膀胱にかかっている力に尿道を締める力が耐えきれなく尿がもれてしまいます。
この方のケースとして、第一子の出産時に骨盤底が損傷しており、その後はある程度回復はしたものの、放置してしまいそして第二子が生まれた時に、さらに悪化させてしまったのです。
若い時の出産で起こった骨盤底の損傷を充分に回復させなかったために当時は平気でも年配になってから、尿もれの症状が出てくるというケースは少なくありません。特に産後は、時間を空け骨盤底の回復運動をすることが大切です。
[切迫性尿失禁]
切迫性尿失禁とは、高齢者によく見られる症状であり、我慢できない強い尿意が特徴です。また通常では気にならない少しだけ尿が溜まった状態でもトイレに行きたくなり、 結果として頻尿の症状が現れます。明らかな原因があることもありますが、原因が不明確な場合もよくあります。不安定膀胱ということが一番の原因とされていますが、 そのメカニズムは未だはっきりと解明されておらず、加齢による身体メカニズムの不調とされています
- 54歳、専業主婦です。
数年前から尿を我慢しにくくなりました。特に台所での洗い物ら、水の音を聞くと急に尿意があり、トイレに駆け込むのですが、間に合わないこともあります。 - 水の音を聞いただけで、尿意がやってくるというのは切迫性尿失禁の典型的な症状です。
切迫性尿失禁というのは、水で洗い物をしたり、手を洗っていたりするだけでトイレへ行きたくなってもれてしまったり、水の音を聞くだけでもれてしまうなど急に尿意が出てきて我慢できないという症状です。膀胱にある程度の尿が溜まった時に、まだ溜められる余裕があり、本来なら我慢できる状態なのにも関わらず、膀胱が収縮してしまいトイレへ着く前に尿失禁を起してしまいます。
もれる量が多いという場合は、一度専門医にかかることをオススメしますが軽度の場合は、膀胱トレーニングをしてみることもよいと思われます。